毎年この季節に話題になるテーマ、「チャットレディは確定申告した方がいいのかどうか」
いくつかのパターンが考えられますので、今回は
「OLさんなどが副業でチャットレディをしている場合」
について考えてみます。
参考記事
【2022年度版】チャットレディのお仕事で確定申告は必要?【学生の場合】
【2022年度版】チャットレディのお仕事で確定申告は必要?【主婦の場合】
目次
そもそも確定申告とは?
会社勤めの方はあまり意識したことがないかもしれませんね。
正社員として働いている会社では、毎月のお給料から「所得税」「住民税」というのが天引きされています(その他社会保険などもあります)。それは「この人の給料ならこれぐらい引いておこう」という想定で引かれていますので、年末に会社が「年末調整」というのをして、余分に天引きしてしまった分を戻してもらえます。多くの方が年末に少し余分に貰えたことがあるのではないでしょうか。
自営業の八百屋さん、飲食店などはお客さんからの売り上げで生計を立てているわけですから、所得税や住民税を自分で計算して払います。
これが一般的に言われる「確定申告」です。
会社員でもアルバイトをしている場合は確定申告が必要
もしあなたが会社員として、夜間や休日にアルバイトをしている場合、ほとんどのケースで自分で確定申告をする必要があると思ってください。チャットレディ、メールレディも同様です。
まず、収入を得ればそれに応じた税金を納めるのは国民の義務です。
それを怠ると会社にバレるどころではなく、税務署からペナルティを食らうことがあります。怖いのは、税務署も今年一年だけ、とかを見るのではなく、何年も「この人怪しい」という人を追跡して、すごい額の追徴課税を後で求めてくることがあると言われています。
面倒と言えば面倒ですが、メリットもある確定申告、副業であれば必ずしましょう。メリットについては後ほど書きますね。
「副業の収入が20万円以下ならバレない」説は本当?
ネットを見ると時々、「副収入が20万以下なら確定申告不要、会社にバレることもない」と書かれていることがあります。
ちょっと待った!
結論から言うとこの考えは非常に危険です。
あなたの副業先(チャットレディサイト、店舗、代理店)は基本的には「給与支払報告書」というのを市区町村に提出しているはずです。
給与支払報告書
給与支払報告書とは、日本において、前年1月1日から12月31日までの間、事業所等が給与を支払った場合、支給した事業所が支給した者の1月1日に居住する市区町村に1月31日までに提出しなければならない書類である。略して、「給報」と呼ばれることもある。
wikipediaより
この「給与支払報告書」に基づいて住民税が決定されます。住民税というのは所得に関係なく、日本国民なら払わなければいけない税金です。
その住民税額は市区町村からあなたの会社に報告されますので、「この人、住民税がやたら多いな」となり、会社バレしてしまうのです!
やっぱりバレちゃうんじゃない!
一つリスクが低くなる方法としては(完全に、とは言い切れないですが)、自分で副収入分を確定申告をし、住民税を「自分で納付する」という申請をすることです。欄に丸をするだけです。(「普通徴収」といいます)
そうすると住民税の納付書が直接あなたに郵送されてくるようになります。
念のため、副業先に「自分で確定申告するので、住民税は普通徴収したい(自分で払えるようにしたい)」と言っておくと安心できると思います。
*********************************************注意:ネットで色々調べると、上記は「市区町村によっても対応が違う」説があります。役所に確認した方がいいかもしれません。
*********************************************
(参考までに、給料から住民税を天引きされることを「特別徴収」といいます)
チャットレディが確定申告するなら白色よりぜひ青色申告で
「白色申告」「青色申告」初めて聞かれる言葉かもしれません。
白色申告について
【令和最新】白色申告とは?白色で確定申告した方がいい人、やり方・節税のすべて
(freeeホームページより)
白色申告とは、特に届出なども必要なく、気軽に始められます。帳簿をつける必要がありますが、ほぼ「お小遣い帳」レベルのものでも大丈夫です。まだチャットレディの収入が少ない場合はこれでもいいかもしれません。
白色申告の場合、収入から基礎控除と経費を引いた金額(これを「所得」と言います)に税金がかかります。基礎控除というのは白色の場合「48万円」です。これが収入から自動的に引いて貰えます。
所得=収入ー基礎控除(48万円)ー経費
「経費」についてはのちほど説明します。
青色申告について
青色申告のメリットとは?
(freeeホームページより)
対して青色申告とは、あらかじめ税務署に「開業届」「青色申告申請書」の提出が必要など、若干ハードルがあがります。とは言っても紙2枚だけです。「個人事務所」を作るということです。手間が増える分、メリットもあります。ある程度の収入になるようであればぜひ青色申告にしていただきたいと思います。
青色申告のメリット【基礎控除が高い】
先ほど「白色申告は基礎控除が48万円」と説明しました。
青色申告の場合は「10万円」「65万円」の2パターンあります。
10万円の方は、白色申告と同じく、簡単な帳簿(単式簿記と言います)で済ます場合です。
65万円の基礎控除を受けるためには「複式簿記」というやや複雑な帳簿の付け方が必要になります。
面倒ですがその分、「責任を持って事業を運営している」という評価になり、65万円の基礎控除が受けれます。65万円は結構大きいですよ!
所得=収入ー基礎控除(65万円)ー経費
となります。
最近はクラウド型など、比較的使いやすい会計ソフトが色々ありますので、こういったものを使って帳簿をつけるといいと思います。
↓↓チャットレディも確定申告必須!オススメなクラウド会計ソフト↓↓
チャットレディの「経費」について
さきほど、
所得=収入ー基礎控除ー経費
とお話しました。所得の金額で所得税、住民税が決まります。基礎控除はさきほど説明した通りです。
では経費とは?
この式を見ると、経費が多い方が税金安くなるんじゃない?
正解です!
じゃんじゃんいろんなものを経費にして税金を下げる(節税)することができます。これは悪いことではなく、税理士事務所などに相談すると、「それも、それも、経費にして大丈夫ですよ」とアドバイスされることもあるぐらいです。逆に「それはちょっと経費とは言えないですね」と言われることも無いわけではないですが、基本的には自分で「申告」するものなので、自分が「これはチャトレするには必要不可欠」と思うものなら大丈夫と思ってください。
では、チャットレディの場合、どんなものが経費にできるか、詳しく見ていきましょう。
・交通費
あなたが通勤チャトレさんなら、公共交通機関で店舗まで行く交通費は当然全額経費です。
電車やバス代は交通費はその都度は領収書をもらいにくいですが、メモで残しておくか、通勤用の交通系ICカード(Suicaなど)を用意し、チャージするときに領収書を貰えば大丈夫です。
・新聞、書籍代
ライブチャットで男性との話のネタのために、新聞や本を買って読むのであれば経費にできます。
・パソコン、webカメラ、イヤホンマイク代
ライブチャット用にパソコンや周辺機器を買う場合も経費にできます。ちなみにいいパソコンを買って10万円を超えると減価償却というちょっと面倒なことが必要になってきますので、10万円以下のものをオススメします。そのまま経費とすることができます。
・衣装代
ライブチャット用に例えばコスプレ衣装などを買った場合も経費とできます。しかし、その服を普段も着る、という場合は「按分(あんぶん)」というのが必要になります。ライブチャット、普段、で着る割合によっていくらが経費になるかを自分で決めます。
例:9,800円のワンピースを買った場合
・ライブチャット時に着る:3割
・それ以外の時に着る:7割
とした場合、
¥9,800 x 30% = ¥2,940
を経費とすることができます。
この「按分」は他にも色々適用されますので、よく覚えておいてください。
・インターネット通信費
自宅でライブチャットをする場合は、インターネットの通信費を経費にすることができます。しかし100%ライブチャットにしか使わない、ということは少ないと思いますので、この場合も按分します。90%ライブチャットだったり、50%ずつかなあとか、人によって変わります。
・家賃
え?家賃も?とびっくりされるかもしれませんね。
自宅の住所で開業届を出せば「自宅兼事務所(or店舗)」という考え方ができます。なので経費にできます。
ただしこれは当然按分します。自宅の面積に対して、何割を仕事で使っているか、という計算が必要です。
・水道光熱費
こちらも自宅でする場合です。一般的には家賃で「20%」と按分した場合は、水道光熱費も20%にします。
・ガソリン代、駐車場代
先ほど公共交通機関の場合は説明しましたが、もし車で店舗に通う場合はガソリン代がかかります。これも通勤、それ以外での使用、と按分します。仮に3:7だとすれば、月極めの駐車場を借りている場合は駐車場代も3割を経費にできます。
・車両代
その理屈であれば、クルマを新しく買った時も按分して経費にできるのでは?となりますが、10万円以上のものは「資産」という扱いになり、先ほども少し出てきた「減価償却」という計算が必要になります。これは難しくなりますので説明を省略します。必要な方は検索してみてください。
まとめ
結論ですが、副業としてチャットレディをする場合でも確定申告はしましょう。でないと会社にバレたり(副業可の会社であれば問題ないのですが)、何年も経ってから税務署からとんでもない請求がきたりします。
そして経費をうまく使うことで税金対策(プロ野球選手や大会社の社長みたいでかっこいいですね!)もできます。
ぜひ青色申告でやった方が有利、というレベルまでチャットレディのお仕事を頑張っていただきたいです。
こういった本も参考になります。
お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!